人気ブログランキング | 話題のタグを見る

袴ラッシュ

先々週、先週と卒業式ラッシュでした。3月のかなり後半でも大学の卒業式があるそうで…
大学生、高校生、小学校の先生、専門学校の校長先生の袴の着付けと続き、
今は春休みの着付けラッシュ。卒業旅行で鎌倉に来る人や4月から社会人になる人が来たり。
これが終わると4月は入学式で着物を着る人の着付け、、、GW突入とあっという間だ。

袴は年々個性的になり、この季節は朝の通勤電車でもよく見かけた。
一番個性的な袴はやはり、勤務先の生徒たちの自作の袴。
袴はもちろん、二尺袖、振袖も自作。半襟も伊達襟も半幅帯も髪飾りも自作。
驚いたのは袴をカーテンの生地で作った子。とても可愛らしかった。
ここまで来ると世界に一つの袴で、一生手元に残しておきたいデザイン。

在校生が先輩たちに贈る言葉を読んだ時は、思わず貰い泣きしてしまいました。
思い出が沢山詰まったアットホームな卒業式で感動。
別れの季節ではあるけれど、これから新しい世界に向かって羽ばたく人を送り出すことで
自分も光や希望が見えてきて、ワクワクする季節でもある。
最後は笑顔で元気でね!また会おうね!と手を振った。

# by akikokimono | 2019-03-25 22:43 | 着付け

一服

勤務先でお茶会が行われた。
この1年間茶道を茶道を選択した生徒のお披露目という事で、お点前を拝見。
なんて、偉そうに書いていますが、全く無知な私。
ベトナムにいた時の裏千家茶道交流行事で裏方の着付けしかやっておらず、茶道に関しては
何も知らない。

掛物の筆者は裏千家大宗匠だと聞いて、またもや日本で間接的ではあるがご縁がある事に驚いた。
今の季節を表す、この意趣でお客様を迎える、この軸の意味を茶道の先生が説明され、それを
聞いているうちに、ホッとした空気になった。日々忙しくただ時間に流されて、一息つく間も無く
次から次へとやらなければいけない事がある中で、この時間はとても貴重だった。

そして茶道の先生の庭に咲いている椿を紅白で飾っていて、いい蕾を探すのに苦労しましたと聞きました。とても綺麗な色で心が和む。

生徒の初々しい、堂々とした、可愛らしいお点前、美味しい菓子、深い味わいのお茶…
亭主と半東のそれぞれの役割をじっくり見たのはこれが初めて。

急いで着物を着て、生徒が迎えに来てくれたので後をついて教室に入り、慣れない正座をして…
久々に背筋の伸びる時間でもあり、ちょっと一息つくのは日頃の忙しさを忘れるにはとても良く、
何よりも一生懸命やっている生徒たちを見ていたら、元気を貰えた。
また頑張ろう!と。
こういう時間は大事なのね。

# by akikokimono | 2019-03-08 00:01 | 着物イベント

着付け仲間で新年会

鎌倉の着物店の着付け仲間で新年会をした。正確にはオーナーのご招待。
1月は元旦から忙しく、今月やっと少し落ち着いたので仲間で集まってのランチ会。
強制ではないけれど、着物で行こうという事になり、数日前から何色の着物着ていくの?と
探り合いが始まり、その人の色と被らないように当日のコーディネートを考えるその時間が楽しい。
店で着替えても良いし、家から着て行っても良いし、という事で私は自宅から着物。
他の仲間はオーナーはじめ店で着付けをしていた。
約束の時間の少し前に店に行くといつもの仲間で着付けをし合ったり、ヘアセットしたり
私も仲間の着付けを手伝ったり、これがまたすごく楽しい。

普段は仕事で人に着付けるわけだが、この日ばかりは自分が着物を着てランチに出かけるという
お客様と同じ気持ちで出発前の店にいる時から気分が上がる。
しかも、仕事の時は地味な服装の仲間が、今日ばかりは個性が出て面白かった。
お母様のお誂えだが一度も袖を通していない着物、自作のウールの単衣、作家さんの帯揚げ、
リサイクルとは思えないほど状態の良い、しかも季節先取りの桜の着物と帯、赤の江戸小紋…
これ、いい色だね〜とか、素敵な柄!と話しながら着付けをして準備をする。

この日はとても寒かったので防寒対策をしてレストランへ。
お客様から教えてもらったというレストランをオーナーが予約してくださっていたので、
皆で小町通りを抜けて歩いた。古民家を改装したレストランで、住宅街の中にひっそりとあり、
看板は絵の暖簾だけというシンプルなもので、これは観光客にはわかりづらい。
こんな所にレストラン?と思った。存在感があるようでない、近隣と調和している。
昔実家にいた頃の犬の散歩コースでもあった所に、こんなレストランがあるなんて。
中に入ると、わ〜素敵。おじいちゃんの家に来たみたいな感覚。
手入れされた中庭を通りダイニングへ。立派なテーブルと窓からの景色が素敵。
フランス人外交官が住んでいた日本家屋を改装して作ったという事だ。
もともとフランス人外交官夫婦が別荘ではなく、ずっと暮らしていたそうで
メインダイニングは3部屋をぶち抜き、部屋の中に材料を持ち込んで3ヶ月掛けて
その場所でコンクリートに石を混ぜたもので10m程の重厚なカウンターを作ったそうだ。


コース料理とスパークリングワインで昼からいい気分。
全く前情報なしで行ったので、店の外側から驚き、料理は和食かと思いきや四川料理!
前菜から美味しい〜。鰆が新鮮。パテや餃子のタレも本当に美味しく、驚いたのが回鍋肉。
今まで見た事のない盛り付け方。ステーキですか?という上品さ。

杏仁豆腐や焼き菓子、ドライフルーツ、中国茶2種、最後まで驚きの連続。

静かな空間で綺麗な景色を見ながら着付け仲間で着物談義をしたり、食べ物の話をしたり
時間があっという間に過ぎる程楽しかった。
had new year party with my colleagues, as a kimono dresser.
dressed each other, also did their hair up.
enjoyed choosing kimono a few days ago.
got a message from one of my colleague “Hi, what color do you wear on the day?”.
Because everyone thought to make sure that there are no overlaps each other.
went to a beautiful old folk house who lived French diplomat.
beautiful garden, a huge dining table, and palatable sparkling wine.
surprised menu, Chinese Sichuan cuisine. had a pleasant taste.
talked about kimono, manners, kimono customers, and so on.
passed by like a flash!


# by akikokimono | 2019-02-09 20:35 | 着物でお出掛け

成人式2019

年末着付け、元旦から着物で初詣したい人の着付け、そして成人式、と忙しさピークのはずが
そのスキマで人生初のインフルを家族に移されるという貰い事故が発生。苦しかった…
すぐに医者に診て貰って薬を処方して貰い、自宅待機と復帰で成人式当日にはなんとか回復。

今年は独り場所でとある美容室に4時台から。
まだまだ真っ暗の中、美容室の中は暖房で暖かく煌々と明るい。
そこに眠そうな新成人がヘア、メイク、着付けと流れ作業で動いて行く。


今風の流行りの振袖もあれば、お母様が着られたという振袖と帯など、貴重な物を見る事が出来た。
振袖はなかなか着る機会がないので、出来れば成人式以外にも何度か着て欲しいもの。
友達や親戚の結婚式、お見合いとかにどんどん着てね!と言いました。
着てね!と言ってもメイクは何とかできてもヘアセットと着付けはどうしても人の手が要るもの。
今回の成人式を機に、着物っていいな〜と少しでも思ってくれたら、なんて思いながら
着付けをしたら、意外に新成人は堅実な考えだった。
「この着物、成人式の後も仕事が幼稚園の先生なので卒園式などの行事にも着られるような
色柄を自分で選びました。」とか、
「いずれ袖を切っても着られるようなデザインと色柄にしました」とか。
私が二十歳の時なんて、親に用意された着物でただただ人に着せて貰った記憶だけ。
最近の若い子はしっかり考えているなあ、と感心しました。

今年も心温まるエピソードをひとつ。
年末駆け込みで振袖をレンタルした新成人の女の子。
元々は成人式の日はシフトで仕事が入っていたので式に参加する予定はなかったけれど、
会社の50代の上司に「君、来年成人式なのに14日は仕事か?」と聞かれて「はい」と答えたら、
その上司が「成人式は一回だけなんだから式に行きなさい」と彼女のシフトを変更してくれた。
それで慌てて今からでも振袖借りれる所あるか探して急いで予約したんです、と。
その話を聞いて私は「その上司に感謝だね」と言いました。
今は若いからピンとこないかもしれないけれど、いずれあなたがもう少し歳を重ねた時に
「あの時、上司の言われた事の重みをわかって今以上に有難い気持ちが出てくると思うよ」と
言いました。彼女も「おじさん上司なんですw」とか言いつつも「そうですね、感謝です。」と
笑っていました。

今年は天気が良く、気温は相変わらず低かったけれど、清々しい1日でした。


dressed some ladies on Coming-of-Age Day, today.
It was cold, but clear day and no rain! also no snow!
was so happy to see beautiful kimono costumes and smile on new adult’s faces.

# by akikokimono | 2019-01-14 21:16 | 振袖

能を見る

大学時代の教授から能の鑑賞のお誘いを受け、同級生と一緒に能楽堂へ。
今月の着物でのお出掛けは能を見に行くという事で、小紋にお太鼓。
半襟は生地を買って縫って作ったものを。
12月だというのに寒くないというか、日中は20度近くて暑い。
羽織り要らずの気候だが帰りを考えたらショールが要るかなあという気温の変化。

前半は小歌。後半のお題は船弁慶。
最初に櫻間右陣氏の解説を聞くのだが、結構面白い。
能を見るにあたっての解説と今回のお題についてのあらすじ。
船弁慶は頼朝の嫌疑を解くために義経が西国落ちを決意して、そこに従って着た静御前は都に
帰されることになるのだが、別れの舞を舞って悲しみを表す。
そして義経一行が船出をすると海が荒れ始め、平知盛をはじめ、平家一門の怨霊が姿を現し
義経たちを海に沈めようとする。
そこに長刀を振りかざすが、弁慶は数珠をもみ、必死に五大尊明王に祈祷して
明け方に怨霊は調伏されて彼方の沖に消えて穏やかになるというのがあらすじ。


私は小学生の時から鶴岡八幡宮の境内を通って通学していたので、その頃から静の舞は知っていた。
そして妹の同級生のお母様が静の舞を踊る事も知っていたので、その舞殿を毎日横切って
通学してたから、ものすごく馴染みはあった。が、静の舞の意味は知らなかったので、今回の
能を見て、なるほど!そういう事だったのか、と妙に納得した。

悲しい踊りだったんだ、という事を全く知らずに小学生から中学卒業までの9年間、毎日その
舞殿を通り過ぎていた。

話の面白さもさることながら、やはり袴姿の凛々しさに見入ってしまった。
袴は格好いい。先日のノーベル賞医学生理学賞を受賞した本庶 佑氏の袴姿も素敵だった。
衣装も興味深いし、舞台の雰囲気も厳か。何もかもが新鮮だった。
それと能の発声はすごくよく通る声である事。声に個性はあるが、太く耳にしっかりと残る。
毎日毎日練習している積み重ねなんだろうと思うと、私が毎日積み重ねている事は何だろう?と
思ってしまう。もっとやるべき事があるのではないか!?と自問自答タイムがあった。

日本に住んでいる日本人なのに、日本の伝統文化については私自身知識が浅い。
もっともっとこういう芸術や文化に触れないと!と思った日でした。


# by akikokimono | 2018-12-02 18:50 | 日本伝統文化芸術鑑賞